4月25日(土)、AM9時から15時の6時間で一気に完了させた。ブレーキフルード全交換・純正オープンデフから機械式LSD(CUSCO 2WAY)への換装・デフオイル・ミッションオイル・エンジンオイル全交換だ。この記事では、その全作業を写真37枚とともに記録しておく。
なお、今回のLSD換装は新規購入ではなく、全損した1号機から回収したCUSCO 2WAY機械式LSDを2号機に移植するという形だ。つまり、1号機で実績を積んだセッティングがそのまま2号機に引き継がれた。
本日の作業概要
| 作業 | 使用品 | 所要時間目安 |
|---|---|---|
| ブレーキフルード全交換 | Dixcel DOT5.1 | 約30分 |
| デフ換装(オープン→CUSCO 2WAY) | 1号機回収品 | 約3時間 |
| デフオイル交換 | CUSCO 80W-90 | 約15分 |
| ミッションオイル交換 | CUSCO 80W-90 | 約30分 |
| エンジンオイル・フィルター交換 | AZエンジンオイル | 約30分 |
| 試走 | ― | 約30分 |
まずはブレーキフルード全交換
リジットラックで作業スペースを確保する
まず、リジットラックで4輪を持ち上げて作業スペースを確保した。ND5ロードスターはFF車と異なり、50:50の重量配分のため車体中央付近に重量物が集中している。そのため、フロアジャッキ1台とローダウンガレージジャッキ2台の計3台を使う必要がある。この点については後述するが、これを知らないで作業を始めると詰む。

👉 ND5のリジットラック掛けに使用した工具はこちら(後述のセクションで詳しく解説)。
交換前のブレーキフルードはかなりの茶色
続いて、ブレーキフルードの交換から作業を開始した。フルードタンクを開けると、液体の色はかなりの茶色だった。2023年式・走行11,000kmという車両スペックから推察すると、恐らく新車から一度も交換されていない。


ブレーキフルードは吸湿性があるため、時間が経つほど沸点が下がる。サーキット走行ではブレーキが高温になるため、劣化したフルードはベーパーロックの原因になりえる。これは整備の優先度が高い項目だ。
妻にブレーキ踏みをお願いしてフル交換
なお、ワンウェイバルブ付きワンマンブリーダーを持っているが、今回は妻にブレーキペダルを踏んでもらいながらフルードの状態(色・エアかみ)を自分の目で確認する方法を選んだ。具体的には、4輪すべてのブリーダーニップルを順番に開けながら、チューブ越しに排出されるフルードを目視確認した。

使用したのは在庫していたDixcelのDOT5.1だ。4輪で1本(1000ml)をほぼ使い切った。
👉 サーキット走行前の必須メンテナンス。4輪で1本が目安です。

結果として、タンク内の液体は透明に近い状態になりスッキリした。
機械式LSD ND5ロードスター2号機への換装|純正オープンデフからCUSCO 2WAYへ
まずデフオイルを抜く
続いて、本日のメインイベントであるデフ換装に移った。まず、デフオイルを抜く。


こちらも新車から一度も交換されていない模様だった。ドレンボルトのマグネット部分を確認すると、細かな鉄粉が付着していた。ただし、細かな鉄粉はデフの正常な磨耗範囲内であり、問題なしと判断した。


なお、ドレンパッキンは必ず新品に交換する。オイル滲みの原因になるため、ここは省略してはいけない。

2号機の足から見えた使用履歴の謎
そこで、少し寄り道をする。リアブレーキを分解していく中で気づいたことがある。

リアブレーキが驚くほど綺麗だった。走行11,000kmの数字に見合う、新品に近い状態だ。シールやローターも、まだまだ使える。
一方、車体の表面的な錆の多さ、そして足回り付近に何箇所も張っていた蜘蛛の巣が気になった。2023年式でこれほど蜘蛛の巣があるのは不自然だ。走行距離を勘合すると、以下のシナリオが浮かび上がる。
- 2023年に新車で購入後、海近くまたは雪国で約11,000km使用
- 2023年〜2024年に事故で修復歴が発生
- 修復後、中古市場でしばらく売れずに在庫として長期保管
これは、ヴェルサイドの小川さんが「なかなか売れなくて値段を下げたんですよ」と言っていたコメントとも完全に合致する。つまり、この車は内部的にはほぼ新車に近い状態で、表面の錆は保管環境による影響だと考えられる。車を分解していくと、その車の生い立ちが見えてくる——これが整備の面白さだ。
足回りをばらしてドライブシャフト・PPF・プロペラシャフトを抜く
そのため、デフキャリアを降ろすためには、リアブレーキの分解から始める必要がある。さらに、ドライブシャフトを抜くためにはリアアッパーアームを含む足回りをばらす必要がある。手順が多いが、一つひとつ確実に進めていく。



結果として、ドライブシャフトは割とあっさり抜けた。続いて、パワープラントフレーム(PPF)とプロペラシャフトも問題なく外れた。





純正オープンデフを降ろす
続いて、最後のデフキャリアも問題なく降りた。ここが今日の折り返し地点だ。


写真左が2号機から降りた純正オープンデフキャリア、右が1号機から回収したCUSCO 2WAY機械式LSD封入済みのデフキャリアだ。同じデフキャリアに見えるが、中身が全然違う。
ND5ロードスター1号機の機械式LSDを2号機へ搭載+CUSCOデフマウントカラーも同時装着
次に、搭載フェーズに入る。まず、1号機のデフキャリア(CUSCO 2WAY封入済み)を2号機のデフ搭載位置に持っていく。

また、このタイミングでCUSCOのデフマウントカラーも同時に装着した。デフマウントカラーはデフキャリアの取り付け部にあるゴムブッシュを補強し、デフの動きをより正確にすることで駆動の伝達ロスを減らす効果がある。さらに、サーキット走行時のトラクション向上にも寄与する。費用対効果の高いパーツだ。


👉 CUSCOデフマウントカラー(CUSCO公式)をND5ロードスター2号機に装着。
ドライブシャフトを差し込み足回りを復旧(アライメント影響を最小化)
続いて、ドライブシャフトを差し込み、足回りを復旧していく。

ただし、ここで一点重要なポイントがある。アライメントに影響するロアアームは外さずに作業を進めた。そのため、足回りの復旧後にアライメント再調整が不要な状態を維持できた。無駄な工数を省けるのがポイントだ。


油脂類全交換
デフオイル:CUSCO LSDオイル 80W-90
デフの搭載が完了したので、次はデフオイルの充填だ。機械式LSDにはLSD対応オイルが必須のため、CUSCOの80W-90 LSDオイルを選択した。

⚠️ 機械式LSDには必ずLSD対応(摩擦調整剤入り)オイルを使用すること。通常のギアオイルを使うとLSDが正常に機能しない。
👉 CUSCO LSDオイル 80W-90(デフ・ミッション兼用)
ミッションオイル:CUSCO 80W-90(新車から未交換を確認)
続いて、ミッションオイルの交換だ。抜いたオイルを見ると、こちらも新車から一度も交換していない状態だった。オイルの色と粘度を見ればすぐにわかる。

なお、ドレンボルトを確認するとミッションに異常はなかった。細かな鉄粉のみで、これは正常範囲内だ。


パッキンを新品に交換し、ミッションにもCUSCO 80W-90を充填した。デフとミッションで同じオイルを使えるため、管理がシンプルになる点もメリットだ。


エンジンオイル・フィルター:AZエンジンオイルへ切り替え
最後に、エンジンオイルとフィルターの交換だ。こちらは、ヴェルサイドの小川さんが「交換しましたよ」と言っていた通り、排出されたオイルはかなり綺麗な状態だった。
今回から使用するエンジンオイルをAZのエンジンオイルに切り替えた。車仲間の間で「安くて品質が良い」と評判のオイルで、TAKMOオイルの価格が高騰していたことも乗り換えの理由だ。

👉 コスパ重視のエンジンオイルを探している方にはこちらがおすすめ。
ND5ロードスターのリジットラック掛けはジャッキ3台体制が必須
ここで、ND5ロードスターの下回り作業における重要なポイントを共有しておく。

ND5ロードスターは前後50:50の重量配分のため、車体中央付近に重量物が集中している。そのため、FF車のように効率的に車体を持ち上げることができない。具体的には、以下の3台が必要になる。
- フロアジャッキ(2t以上):車体センターのジャッキポイントを持ち上げるため
- ローダウンガレージジャッキ(2基):リジットラックを左右に入れるためのサポート用
これを知らないで1台のジャッキだけで作業を始めると、車体が安定せず非常に危険だ。また、車高を下げているND5の場合はさらに低床タイプのジャッキが必要になる。
👉 ND5ロードスターの下回り作業に使用したジャッキ類はこちら。
特に、車高を落としているND5ロードスターにはローダウンガレージジャッキが必須だ。
試走インプレ:2WAYの安定感はすぐに感じ取れた
全作業が完了したので、近くの人工島まで試走に出た。

結果として、2WAY機械式LSDならではのリアの安定感が街乗りでもすぐに感じ取れた。コーナー立ち上がりでアクセルを踏み込んだときのリアの「踏ん張り感」が、オープンデフとは明らかに違う。さらに、ついでに定常円旋回を1回だけ試みた。これはオープンデフでは決してできない動きだ。
ちなみに、帰路の信号待ちでふとオドメーターを見ると11,111kmの切り番が出ていた。

なお、この11,111kmという数字を見て、改めてこの車が内部的には新車に近い状態であることを再認識した。表面の錆とは裏腹に、エンジン・ブレーキ・足回りはすべて良好だ。修復歴ありを選んで正解だったと、今日の作業を通じて確信できた。
まとめ|2号機がフル戦闘仕様の土台を固めた
このように、今回の作業で2号機の仕上がりが大きく前進した。
✅ ブレーキフルード全交換(Dixcel DOT5.1)
✅ 機械式LSD搭載(1号機CUSCO 2WAY移植)
✅ CUSCOデフマウントカラー装着
✅ デフオイル・ミッションオイル全交換(CUSCO 80W-90)
✅ エンジンオイル・フィルター全交換(AZ)
つまり、足回り(TEIN MONO SPORT)・ブレーキ(Dixcel ES)・ECU(KSROM 8,000rpm)・コックピット(MOMO・BRIDE ZETA Ⅳ)に加え、機械式LSD ND5ロードスター仕様の油脂類が揃った。
また、今回の作業で2号機の使用歴に関する仮説もほぼ確定した。新車購入→海か雪国での使用→短期間で事故→修復後に長期在庫——という経緯が、各部の状態から読み取れた。
次回はいよいよセントラルサーキットへの持ち込みだ。
セントラル持ち込み前の最終準備|内装撤去+ロールケージ設置
ただし、サーキット走行にはもう一つ大きな準備が残っている。セントラルサーキットの規定に対応するため、2号機の内装撤去とロールケージ設置が必要だ。
具体的には、シート後方の内装パネル・トリム類を撤去し、CUSCOのロールケージを設置する予定だ。なお、1号機で使用していたロールケージはそのまま2号機に移植する。
また、内装を撤去することで車両の軽量化にもつながる。サーキットでの運動性能向上という観点からも、この作業は意味がある。続いて、この内装撤去・ロールケージ設置の作業記録は次の記事で詳しく紹介する予定だ。
この記事で紹介したパーツ・工具一覧
| パーツ・工具 | 用途 | 備考 |
|---|---|---|
| Dixcel DOT5.1 ブレーキフルード | ブレーキフルード全交換 | 4輪で1000ml(1本) |
| CUSCO 2WAY 機械式LSD | デフ換装 | 1号機からの移植品 |
| CUSCO デフマウントカラー | デフマウント補強 | ND5RC適合品 |
| CUSCO LSDオイル 80W-90 | デフ・ミッションオイル | LSD対応品必須 |
| AZエンジンオイル | エンジンオイル交換 | コスパ重視で採用 |
| リジットラック(4本) | 車体固定 | 下回り作業の必需品 |
| フロアジャッキ(2t以上) | 車体持ち上げ | ND5は3台体制必須 |
| ローダウンガレージジャッキ(2基) | リジットラックサポート | 低床タイプ推奨 |
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🏗️ この作業の翌週に実施した2号機大改造|内装-55kg軽量化+ロールケージ装着の全記録 →【ND5ロードスター内装軽量化+ロールケージ装着|2号機セントラルサーキット初走行の全準備記録】
🏎️ このLSD搭載・油脂類全交換を含む全準備を経て挑んだ2号機セントラルサーキット初走行 →【ND5セントラルサーキット 2号機シェイクダウン|ABS死亡でも1:35.27】
🚗 1号機LSDを移植した2号機の入手経緯(修復歴あり・名古屋から自走300km)の全記録 →【ND5ロードスター2号機 納車日記|名古屋まで新幹線で取りに行って、帰路300kmで見えた修復歴ありのリアル】


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