機械式LSD組み込み完了|リングギア本締め・バックラッシュ確認・デフキャリア封入の全手順【ND5ロードスター】

機械式LSD デフキャリア封入前に液体ガスケットを塗布。ND5ロードスター LSD組み込み作業 チューニング
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前回の記事では、CUSCO type-RS SpecFの機械式LSDを1.5WAYから2WAYへ変更し、リングギアを仮締めしたところで作業を中断した。

ベンチバイスが手元になく、デフケースを固定できなかったためだ。

この記事では、バイス到着後に再開した作業の全工程を記録する。リングギアの本締めから、LSD本体のデフキャリア組み込み、液体ガスケット封入、オイルシール取り付けまで、作業完了までの手順をすべて公開する。

■ この記事でわかること

・ベンチバイスを使ったリングギアの本締め手順(120N・m)
・機械式LSDをデフキャリアに組み込む際のバックラッシュ確認
・液体ガスケットによるデフキャリア封入の実際
・オイルシールを専用工具なしで取り付ける方法(塩ビパイプ活用)
・ND5ロードスター デフキャリアの総重量(実測値)

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■ Step 1:ベンチバイス BB-200 到着・設置

▼ 設置の様子

KIKAIYA ベンチバイス BB-200設置

注文から数日で KIKAIYA ベンチバイス BB-200 が届いた。
梱包を開けると想像より重量感があり、作業台への固定も問題なく完了した。
今回、取扱説明書を確認して一点気になる記載があった。
「雨のかかる屋外環境での使用・設置は不可」
動作部(スクリュー・ガイドレール)に腐食が生じるためとのことだ。
屋内ガレージや作業部屋に設置する前提の工具であることを確認した上で、室内に固定設置した。
スペックのおさらいはこちらの通りだ。

口幅:200mm/口開き:230mm/口深さ:102mm/重量:約40kg

デフケース(外径約100mm)の固定に必要な口深さ100mm以上という条件を、このクラスで唯一クリアする製品だ。

👉 KIKAIYA ベンチバイス BB-200はこちら

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■ Step 2:リングギアボルトの本締め(120N・m)

▼ 本締め作業

リングギアボルトを120N・mで本締め

バイスにデフケースを固定し、いよいよリングギアボルトの本締めを行う。
締め付けトルクは120N・m、対角順で均等に締め付ける。
トルクレンチのクリック音が鳴るたびに、「これで完成に近づいている」という実感があった。
ボルトは計10本。対角の順番を守りながら、2ステップに分けて締め付けた。
まず全ボルトを60N・mで1周させ、次に120N・mで本締めする手順だ。
締め付け後はボルトの頭に緩みが出ていないことを目視で確認した。

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■ Step 3:機械式LSDをデフキャリアに組み込む・バックラッシュ確認

▼ デフキャリアへの組み込み

機械式LSDをデフキャリアに戻す

リングギアの本締めが完了したLSD本体を、デフキャリアのハウジングに戻す。
サイドベアリングのプリロードを確認しながら、慎重に組み込んだ。
この段階でバックラッシュ(リングギアとピニオンギアの噛み合いのガタ)を確認する必要がある。
厳密にはダイヤルゲージを使って数値を測定するのが正しい手順だ。
今回は手でリングギアを揺らしながら感覚でバックラッシュが大きすぎないことを確認した。
元々正常に機能していたユニットをそのまま戻す作業であるため、今回はこの方法を選択した。
本来の正確な手順が気になる方のために補足しておくと、ND5ロードスターのリアデフのバックラッシュ規定値はサービスマニュアルで0.08〜0.13mm程度とされている。正確な数値は必ずサービスマニュアルを確認してほしい。

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■ Step 4:デフキャリア封入前の液体ガスケット塗布

▼ ガスケット塗布

機械式LSD封入前に液体ガスケットを塗布

LSD本体をデフキャリアに収めたら、カバーを取り付ける前に液体ガスケットを塗布する。

塗布のポイントは以下の3点だ。
・合わせ面全周に均一な細さで塗布する(はみ出しすぎない)
・ボルト穴の内側にはみ込まないよう注意する
・塗布後は速やかに組み付ける(硬化が始まる前に締め付ける)

LSD内部にガスケット片が混入すると、オイルライン詰まりの原因になる。
塗布量は「少し足りないかも」と感じるくらいが適量だ。

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■ Step 5:デフカバーの締め付けトルク確認・本締め

▼ 締め付けトルク確認

デフキャリアの締め付けトルク確認

デフカバーのボルト締め付けトルクをサービスマニュアルで確認してから本締めを行う。
規定トルク内でトルクレンチを使用し、対角順に均等に締め付けた。
液体ガスケットが均等につぶれるよう、一度に強く締めず、2ステップに分けて締め付けるのが基本だ。
締め付け後、カバー外周からガスケットのはみ出しが均一であることを目視確認し、組み付け完了とした。

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■ Step 6:オイルシールの取り付け(塩ビパイプ活用)

▼ オイルシール取り付け

デフカバーの締め付けトルク確認・本締め

最後にオイルシールを取り付ける。
本来、オイルシールの圧入には専用の圧入ツールを使うのが正攻法だ。
しかし今回は、コーナンでちょうどいいサイズの塩ビパイプを購入し、代用した。
塩ビパイプをオイルシールの外径に当てて、プラスチックハンマーで均等に叩き込む方法だ。
コツは「一点集中で叩かないこと」。シールが傾いて入ると、後からオイル漏れの原因になる。
外周を均等に少しずつ押し込むように進めると、まっすぐ圧入できる。
塩ビパイプのコスト:ホームセンター(コーナン)で数十円。
専用工具を買うより圧倒的にコストを抑えられる上、今回のサイズにはぴったりだった。

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■ 完成・総重量確認・保管

▼ 総重量20.6kg

総重量20.6kg

すべての組み付けが完了し、デフキャリアアッセンブリの総重量を計測した。

実測値:20.6kg

ND5ロードスターのデフキャリアはオールアルミ製(通常の市販車両の場合スチール製が多い)のため、同クラスのFR車と比較してかなり軽量な設計だ。それでも20kgを超える重量があることを考えると、車両への脱着作業には二人での作業か、ミッションジャッキの使用を強く推奨する。

▼ 2号機が来るまで保管

2号機が来るまで保管

現時点では2号機(新車両)の納車待ちのため、完成したデフキャリアは梱包して保管する。

納車予定は4月18日。

デフキャリア換装後の実走インプレッションは、組み付けと慣らし走行が完了してから別記事で公開する予定だ。2WAYに変更した効果、トレイルブレーキング時のリアの挙動変化に注目してほしい。

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■ まとめ

今回の作業で、CUSCO type-RS SpecFの機械式LSDを1.5WAYから2WAYへ変更した一連の作業がすべて完了した。

作業を通じて実感したポイントをまとめると以下の3点だ。

まず、ベンチバイスは「あれば便利」ではなく「ないと作業できない」工具だということ。リングギアの120N・m本締めは、デフケースがしっかり固定されていなければ絶対に行えない。今回BB-200を選んだ理由は口深さ100mm以上という条件のためだが、この条件が作業の可否を決める分岐点になった。

次に、液体ガスケットの塗布量と速度感。少なめ・均一・速やかが鉄則だ。

そして、塩ビパイプによるオイルシール圧入が実用的に機能するということ。専用工具がなくても、サイズが合う塩ビパイプがあれば十分対応できる。ホームセンターに行く前に、オイルシールの外径を事前に測っておくことを忘れずに。

2号機納車後、デフキャリアを組み付けて実走テストを行う。2WAY化の効果については、コーナリング時の挙動変化とともに報告する。

▼ 次に読んでほしい記事

🔧 前回の記事(分解・WAY変更編)→【機械式LSD WAY変更に挑戦|CUSCO type-RS SpecFの1.5WAY→2WAY化と分解整備記録】

🔴 CUSCO機械式LSDの基本はこちら →【ND5ロードスターに機械式LSDは必要?CUSCO装着レビュー|メリット・デメリット・1way/1.5way/2wayの選び方】

🏎️ 全損からの復旧全記録 →【ND5ロードスター 全損からの再起|事故・保険・購入まで19日間の全記録】

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