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デフキャリア組み込み完了|リングギア本締め・バックラッシュ確認・封入の全手順【機械式LSD】

機械式LSD デフキャリア封入前に液体ガスケットを塗布。ND5ロードスター LSD組み込み作業 チューニング

デフキャリア組み込みが、ついに完了しました。リングギア本締め120N・m、バックラッシュ確認、液体ガスケット封入、シール圧入。総重量は、実測20.6kgです。本記事では、その全工程を公開します。

前回は、CUSCO type-RS SpecFのWAY変更を実施。すなわち、1.5WAYから2WAYへの変更です。しかし、ベンチバイスがなくリングギア仮締めで中断。経緯はWAY変更の記事にまとめています。なお、詳細スペックはCUSCO公式サイトで確認できます。

この記事でわかること

  • ベンチバイスでのリングギア本締め手順(120N・m)
  • バックラッシュ確認方法(規定値0.09〜0.11mm)
  • 液体ガスケット封入の鉄則(塗布量と速度感)
  • 塩ビパイプでのオイルシール代用圧入
  • デフキャリア総重量の実測値(20.6kg)

Step1:ベンチバイスBB-200 到着・設置

注文から数日で、KIKAIYAのBB-200が届きました。開けると、想像以上の重量感です。作業台への固定も、問題なく完了しました。

デフキャリア組み込みに必須のベンチバイスBB-200を設置
デフキャリア組み込みに必須のベンチバイスBB-200を設置

⚠️ 説明書に重要な記載がありました。「雨のかかる屋外での使用・設置は不可」です。なぜなら、スクリューやガイドレールの腐食を防ぐためです。したがって、屋内ガレージへの設置が前提の工具です。

スペックは、口幅200mm・口開き230mm・口深さ102mm・約40kgです。デフケース(外径約100mm)の固定には、口深さ100mm以上が必須。つまり、このクラスで条件を満たす貴重なモデルです。

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👉 口深さ100mm以上の条件を満たす最安モデルです。しかも、送料無料。⚠️ ただし、屋外設置は不可です。

Step2:リングギアボルトの本締め(120N・m)

バイスにデフケースを固定し、本締めを行います。トルクは120N・m、対角順に均等です。ボルトは計10本。まず全ボルトを60N・mで1周、次に120N・mで本締めの2ステップで進めました。

バイス固定で行うリングギア本締め120N・m
バイス固定で行うリングギア本締め120N・m
バイス固定で行うリングギア本締め120N・m
バイス固定で行うリングギア本締め120N・m

この工程こそ、前回中断した理由です。つまり、120N・mの強トルクにはデフケースの完全固定が大前提なのです。

デフキャリア組み込みの作業記録(Step3〜6)

Step3:LSD本体の組み込み・バックラッシュ確認

続いて、本締め済みのLSD本体をハウジングへ戻します。サイドベアリングのプリロードを確認しながら、慎重に組み込みました。

デフキャリア組み込みとバックラッシュの確認作業
デフキャリア組み込みとバックラッシュの確認作業

この段階で、バックラッシュ(ギアの噛み合いのガタ)を確認します。厳密には、ダイヤルゲージでの測定が正しい手順です。ただし、今回は正常動作していたユニットを戻す作業です。そこで、手でリングギアを揺らす感覚確認を選びました。

(1)  バイスを使用して、図に示すようにSST、ダイヤル・ゲージをディファレンシャル・キャリアに取付ける。
(1) バイスを使用して、図に示すようにSST、ダイヤル・ゲージをディファレンシャル・キャリアに取付ける。
(2)  ドライブ・ピニオンを固定し、リング・ギヤを動かしたときのバックラッシュを測定する。
(2) ドライブ・ピニオンを固定し、リング・ギヤを動かしたときのバックラッシュを測定する。

なお、規定値はサービスマニュアルで0.09〜0.11mmとされています。したがって、組み込み後に規定値内であることの確認を推奨します。正確な数値は、必ずマニュアルで確認してください。

Step4:封入前の液体ガスケット塗布

カバー取り付け前に、液体ガスケットを塗布します。ポイントは、次の3点です。

  • 合わせ面の全周に、均一な細さで塗る
  • ボルト穴の内側に、はみ込まないよう注意する
  • 塗布後は、硬化前に速やかに組み付ける
液状ガスケットを塗布する
液状ガスケットを塗布する
デフケース合わせ面への液体ガスケット塗布
デフケース合わせ面への液体ガスケット塗布

つまり、「少し足りないかも」くらいが適量です。なぜなら、過剰塗布でははみ出した硬化物がデフ内部に落下するリスクがあるからです。

Step5:デフカバーの本締め

規定トルクをマニュアルで確認し、トルクレンチで対角順に締めます。ガスケットが均等につぶれるよう、2ステップに分けるのが基本です。

デフキャリアの締め付けトルク確認
デフキャリアの締め付けトルク確認

また、封入オイルはCUSCO純正のGL5/80W-90を使います。なぜなら、前回の分解で内部の良好さを実証済みだからです。つまり、定期交換による状態維持の効果は確認できています。

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⚠️ 通常のミッションオイルでは、性能低下や異音の原因になります。必ず、LSD対応のGL5規格を使ってください。

Step6:オイルシールの圧入(塩ビパイプ活用)

最後に、オイルシールを圧入します。本来は、専用ツール(SST)が正攻法です。

オイル・シール (サイド・ギヤ) 組付け時の留意点
オイル・シール (サイド・ギヤ) 組付け時の留意点

しかし、今回はコーナンの塩ビパイプで代用しました。

方法は、パイプをシール外径に当ててプラハンで叩き込むだけ。ただし、一点集中はNGです。傾いて入ると、オイル漏れの原因になります。外周を均等に、少しずつ押し込みましょう。

塩ビパイプを使ったオイルシールの代用圧入
塩ビパイプを使ったオイルシールの代用圧入

コストは、数十円です。つまり、専用工具より圧倒的に安く済みます。なお、購入前にシール外径の実測を忘れずに。

デフキャリア組み込み完了|総重量は実測20.6kg

すべての組み付けが完了し、総重量を計測しました。結果は、20.6kgです。

デフキャリア組み込み後の総重量20.6kgを実測
デフキャリア組み込み後の総重量20.6kgを実測

ND5のデフキャリアは、オールアルミ製です。つまり、スチール製が多い同クラスFR車よりかなり軽量。それでも、20kg超です。

⚠️ 実測20.6kgは、一人での脱着が現実的でない重さです。したがって、作業前に「ミッションジャッキか二人体制」を必ず確保してください。

現時点では、2号機の納車待ちです(4月18日予定)。そのため、完成したデフキャリアは梱包して保管します。

2号機が来るまで保管
2号機が来るまで保管

実走インプレッションは、組み付けと慣らし後に公開予定です。

よくある質問|デフキャリア組み込みについて

Q. デフキャリア組み込みはDIYでできる?

可能です。ただし、リングギア本締め(120N・m)にはベンチバイスが必須です。一方、脱着に不安がある場合はショップ依頼を推奨します。

Q. バックラッシュはダイヤルゲージなしで確認できる?

感覚での確認は可能です。実際、正常動作していたユニットを戻す今回は、手で揺らして判断しました。ただし、正確な数値が必要ならダイヤルゲージで実測してください。規定値は、マニュアル参照です。

Q. オイルシール圧入に専用工具は必要?

塩ビパイプで代用できます。なぜなら、外径に合わせて選べば均等に圧力をかけられるからです。ただし、サイズが合わないと傾いてオイル漏れに直結します。購入前に、必ず外径を実測してください。

まとめ|デフキャリア組み込みを終えて

今回の作業で実感したポイントは、3点です。まず、ベンチバイスは「ないと作業できない」工具だということ。次に、液体ガスケットは少なめ・均一・速やかが鉄則。そして、塩ビパイプ圧入が実用的に機能することです。

  • リングギア本締め:60N・m→120N・mの2ステップ
  • バックラッシュ:規定値0.09〜0.11mm(要マニュアル確認)
  • 液体ガスケット:少なめ・均一・速やかが鉄則
  • シール圧入:外径に合う塩ビパイプで代用可能
  • 総重量:実測20.6kg(二人体制かジャッキ必須)

【追記】その後、2号機への搭載が完了しました。詳しくはLSD換装+油脂全交換の記事へ。さらに、2WAYの実戦評価は舞洲ジムカーナ80参戦記をご覧ください。

この記事で紹介したパーツ一覧

KIKAIYA ベンチバイス200mm(BB-200)

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👉 封入用のCUSCO純正オイルです。ミッションとの併用も可能。⚠️ 通常のギヤオイルは使用不可です。

CUSCO type-RS SpecF(LSD429LT15)ND5RC用

👉 1.5WAY・2WAY両対応のSpecF設計です。つまり、クロスシャフト移設だけでWAY変更が完結します。選び方は機械式LSDレビューをご覧ください。

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