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エンジンマウントとデフマウントカラーを交換しました。その結果、セントラルのベストが0.198秒縮みます。1分33秒755から、1分33秒557です。
機械式LSDを入れた後なら、優先度の高いチューニングです。ただしアイドリング振動が明確に増えます。この記事では、効果と引き換えに何を失うかまで正直に書きます。
「LSDを入れたのに、立ち上がりで踏み切れない」。原因のひとつが、マウントのたわみです。つまりLSDが生んだ駆動力を、柔らかいマウントが吸収して逃がしています。

この記事でわかること
- 純正マウントのたわみが起こす3つの症状
- 実測タイム変化(1:33.755→1:33.557/▲0.198秒)
- 9セッション中、単体で効果を切り分けられた2回のうちの1つ
- 🔴 デフマウントカラーの実測重量は143g
- 🔴 1gあたり0.00138秒|このサイトで最も効率の良い改造
- シフトの「カチッ」感とトラクションの変化
- アイドリング振動が増えるというトレードオフの実態
- 費用(DIYで約3万円・依頼で約6万円)と作業の実際
- 🔴 DIYで交換するなら、何を揃えるのか
- 振動が許容できない場合の、1万円で試せる妥協案
エンジンマウントを交換しないとどうなるか
純正マウントは、振動低減を優先した柔らかい設計です。だから街乗りでは快適ですが、サーキットでは次の症状が出ます。
| 症状 | 原因 |
|---|---|
| シフト操作が曖昧になる | エンジンの揺れがシフトに伝わる |
| 立ち上がりでトラクションが抜ける | デフの動きが抑えられていない |
| アクセルON/OFFで駆動系が揺れる | マウントのたわみが動きを吸収する |
機械式LSD導入後は、この問題が目立ちます。つまりLSDが左右輪に配分した駆動力を、マウントのたわみが逃がしています。
✅ LSD本体はショップ依頼で約17万円かかります。一方、マウント一式はDIYで約3万円です。
だからLSDに投じた費用を活かす仕上げとして、費用対効果は高い部類に入ります。
ℹ️ LSD自体の解説は機械式LSDレビューへ。
交換したパーツ
CUSCOエンジンマウント
純正はゴム部分が多い、柔らかい構造です。CUSCO製はゴムが極端に少なく、エンジンの動きを直接抑えます。
そしてシフトフィールとトラクションの、両方に効きました。

筆者が買ったのはブラケット付のセット(429-911-SET)です。価格は約20,000円でした。写真の左がCUSCO、右が純正です。ゴムの量がまったく違います。
⚠️ 6MT車専用です。だから購入前にグレードをご確認ください。
🔴 装着後はアイドリング振動が増えます。街乗りメインや同乗者が多い方は、後述の「振動」の項を先に読んでください。
CUSCOデフマウントカラー
純正デフブッシュの動きを規制する部品です。ブッシュの隙間にカラーを挿入して、実質的にリジッド化します。
その結果、立ち上がりでデフが暴れなくなりました。つまりLSDの効きが、路面に伝わるようになります。

筆者が買ったのはリヤデフマウントカラー(429 928 A)です。価格は約10,000円でした。この2点を同時に装着した結果が、0.198秒です。
⚠️ 装着後は、低速のUターンや車庫入れで違和感が出る場合があります。
🔴 143gで0.198秒|1gあたりの効率
デフマウントカラーを、家庭用のはかりに載せました。
2個で143gです。アルミ製なので、想像より軽い部品でした。

ここで、このサイトの他のパーツと並べてみます。
| パーツ | 重量変化 | 効果 |
|---|---|---|
| デフマウントカラー | +143g | ▲0.198秒 |
| エンジンマウント | +2,236g | シフト・トラクション |
| ロールケージ | +10,695g | 剛性 |
| フルバケ+レール | ▲1,598g | ドラポジ固定 |
💡 1gあたり0.00138秒。言い換えると、1秒を稼ぐのに必要な重量増はわずか722gです。
✅ 軽量化ではなく、剛性で稼いだ0.198秒でした。つまり「重くすると遅くなる」は、常に正しいわけではありません。
ℹ️ 軽量化側の実測はND5の軽量化記録にまとめました。
⚠️ 重量を語るなら、自分で測るのが確実です。カタログ値と実測は、よくズレます。
費用|DIYで約3万円・依頼で約6万円
| 項目 | DIY | ショップ依頼 |
|---|---|---|
| CUSCOエンジンマウント(429-911-SET) | 約20,000円 | 約20,000円 |
| CUSCOデフマウントカラー(429 928 A) | 約10,000円 | 約10,000円 |
| 工賃 | 0円 | 約30,000円 |
| 合計 | 約30,000円 | 約60,000円 |
筆者はDIYで作業したため、約30,000円です。LSD本体はショップ依頼で約17万円です。つまり投資として、見合う範囲でした。
💡 1秒あたりの単価で見ると、このサイトで最も安いチューニングです。30,000円で0.198秒でした。
タイヤ1セット(約60,000〜80,000円)で1秒前後です。つまりコスパは、悪くありません。
🔴 DIYで交換するなら、この道具が要ります
「DIYで3万円」と書きましたが、道具がなければ成立しません。
🔴 リジッドラックは、必須です
ここだけは、譲れません。
リアクロスメンバーのボルトを緩める作業です。つまり足回りを支える部材を、一時的に外すことになります。
🔴 ジャッキだけで潜るのは、絶対にやめてください。不安なら、ショップ依頼をおすすめします。
ジャッキは2台あると楽です
エンジンマウント側では、ジャッキでエンジンを下から支えます。
⚠️ 車高調を入れていると、一般的なジャッキは入りません。
💡 車体を上げる1台と、エンジンを支える1台。2台あると、作業が一気に楽になります。
🔴 締め直しは、規定トルクで
クロスメンバーのボルトは、足回りを支えています。
だから感覚で締めないでください。緩めば走行中に音が出て、締めすぎれば折れます。
💡 仮締めと取り外しは、インパクトが速いです。
ℹ️ 細かいボルトが続くので、電動ドライバーもあると手が楽です。
下回りは、見えないと進みません
カラーを挿す隙間は、20mm程度です。つまり手探りでは入りません。
⚠️ そして下回りは、汚れています。作業前に落としておくと、ボルトの状態が見えます。
💡 錆びたボルトには、かじり防止剤を塗って組みます。次の作業が楽になります。
交換作業の難易度
- 作業時間:約4時間
- 難易度:★★★☆☆
- 必須工具:ジャッキ・リジッドラック・トルクレンチ
エンジンマウント側
ガレージジャッキでエンジンを下から支えながら、マウントを外して交換します。支える位置さえ確実なら、作業自体は難しくありません。
デフマウントカラー側は「差し込むだけ」ではない
カラーという部品名から簡単そうに見えます。ただし実際は、下回りをそれなりに触ります。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1 | リジッドラックで車体を確実に支える |
| 2 | リアクロスメンバーのボルト4本を緩める |
| 3 | クロスメンバーを20mm程度下げる |
| 4 | できた隙間にカラーを挿入する |
| 5 | ボルトを規定トルクで締め直す |
⚠️ カラーには「upper」の刻印があります。向きを間違えると、機能しません。

ℹ️ クロスメンバーを下げる作業なので、リアのアライメントが動く場合があります。作業後の確認をおすすめします。
交換後の変化
シフトフィーリング
シフトが明確に「カチッ」と決まるようになりました。ギアが入った感触がはっきりするので、シフトミスが減ります。
つまり「なんとなく入った」から「確実に入った」への変化です。
トラクション
カラー装着後は、立ち上がりのトラクションが安定しました。デフが暴れなくなり、LSDの効きが路面に伝わります。
「やっとLSDが仕事をしている」と感じられました。
🔴 振動|これが最大のトレードオフ
正直に書きます。アイドリング振動は、信号待ちで明確にわかるレベルで増えました。
そして車内への伝達も増えます。だから長距離では、疲れやすくなります。
⚠️ 同乗者から不満が出る可能性は、十分にあります。
| 場面 | 変化 |
|---|---|
| 信号待ちのアイドリング | 同乗者が気づくレベルで振動増 |
| 長距離走行 | 疲労感が増す |
| 低速のUターン・車庫入れ | 駆動系の違和感が出る場合あり |
| サーキット走行中 | 気にならない |
⚠️ ここは意思決定です。「街乗りの快適性を捨てて、サーキット性能を取る」と決められるか。迷っているなら、装着しないほうがいいと思います。
💡 振動が気になるなら、まず回転数を疑ってください
装着後に「振動が大きすぎる」と感じたとき、原因はマウントだけとは限りません。
そもそもアイドリング回転数が下がっていれば、振動は増えます。まず実際の数値を見てください。
ℹ️ プラグの劣化でも、アイドリングは荒れます。走行距離が伸びているなら、あわせて確認してください。
振動が許容できないなら、1万円から試せます
デフマウントカラーだけを装着する方法があります。
| 費用 | 振動増 | 得られるもの | |
|---|---|---|---|
| デフマウントカラーのみ | 約10,000円 | 小さい | トラクション改善 |
| エンジンマウントも追加 | 約30,000円 | 大きい | +シフトフィール改善 |
まずカラーだけを1万円で試して、物足りなければエンジンマウントへ進む。これが最もリスクの小さい順番です。
つまり振動という取り返しのつかない変化を、いきなり受け入れる必要はありません。
サーキットでのタイム変化
| 項目 | 日付 | タイヤ | セントラルベスト |
|---|---|---|---|
| 交換前 | 2024/12/7 | ナンカンCR-S 195/50R15 | 1分33秒755 |
| 交換後 | 2024/12/21 | ナンカンCR-S 195/50R15 | 1分33秒557 |
| 差 | 14日 | 同一 | ▲0.198秒 |
✅ タイヤは前後とも同じナンカンCR-S 195/50R15です。つまり変更点はマウントだけでした。
セントラルの全9セッションのうち、単体で効果を切り分けられたのは2回だけです。そのうちの1回がこれでした。
ℹ️ ただし別日の記録同士です。だから気温や路面状況の差までは、排除できていません。
⚠️ 比べるなら、空気圧も揃えてください。10kPaで曲がり方が変わります。
そして体感は、あてになりません。だから私は毎回タイムを残しています。
セッティング変更だけで0.2秒は、小さくない数字です。数値以上に大きかったのは、出口でアクセルを開けるときの安心感でした。
踏んだぶんが素直に前に出るので、迷いが減ります。全9セッションの記録は全チューニング記録にまとめました。
💡 エンジンマウントの次に効いたもの
駆動系の遊びを潰すと、次のボトルネックが見えてきます。ボディのねじれです。
💡 剛性が上がると、足回りが仕事をするようになります。
ℹ️ そして足そのものです。マウントで駆動系を固めても、足が柔らかければ荷重は逃げます。
⚠️ 車高を変えたら、アライメントも動きます。キャンバーの確認もセットです。
⚠️ 走る前に、保険を確認してください
マウントを替える段階なら、走行会に出ている方がほとんどだと思います。
多くの自動車保険は、競技やそのための走行を免責としています。つまりコース上で壊しても、車両保険は出ません。
⚠️ 走行会が対象になるかは、契約によって違います。だから一度、約款をご確認ください。
私の任意保険は年34,570円です。契約内容はロードスターの任意保険の記事で公開しました。
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こんな人におすすめ
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 機械式LSDを導入済み | 街乗りメインで振動が気になる |
| シフトの曖昧さが気になる | 同乗者を乗せる機会が多い |
| 立ち上がりでもっと踏みたい | 長距離ドライブが多い |
| DIYでの下回り作業に慣れている | — |
よくある質問
Q. エンジンマウント交換の効果は?
シフトが「カチッ」と決まり、立ち上がりのトラクションが安定します。セントラルのベストは0.198秒縮みました。前後でタイヤは同じナンカンCR-S 195/50R15です。つまりマウント単体の効果として切り分けられた数字になります。
Q. 振動はどれくらい増える?
信号待ちで、同乗者が気づくレベルです。長距離の疲労感も増します。この記事で唯一、はっきりデメリットと言える部分です。
Q. デフマウントカラーは何グラム増える?
2個で143gでした。アルミ製なので、重量増はほぼ無視できます。1gあたり0.00138秒の短縮です。つまりこのサイトで、最も効率の良い改造になります。
Q. DIYで交換できる?
できます。筆者は約4時間で作業しました。エンジンをジャッキで支えます。そしてリアクロスメンバーを、20mm下げる工程もあります。だからリジッドラックは必須です。
Q. デフマウントカラーだけでもいい?
有効な妥協案です。約10,000円で、振動増を抑えつつトラクション改善が得られます。振動が心配なら、こちらから試してください。
Q. LSDを入れていなくても効果はある?
シフトフィールの改善は、LSDの有無に関係なく体感できます。トラクション面の効果は、LSD導入後のほうがはっきり出ます。順番としては、LSDを先に入れることをおすすめします。
Q. 振動は元に戻せる?
純正マウントに戻せば戻ります。ただし作業は再度4時間かかります。外した純正マウントは、捨てずに保管しておくことをおすすめします。
まとめ|LSD後の最後の詰め
この交換は、LSD導入後の「最後の詰め」です。シフトとトラクションが同時に改善し、タイムは0.198秒縮みました。
そして振動が増えるのは確実です。だから街乗りの快適性を優先するなら、勧めません。
一方、サーキット優先でその代償を受け入れられる方には、価値の高い投資になります。
- タイム:1分33秒755 → 1分33秒557(▲0.198秒)
- 同一タイヤ・同一コースで切り分けられた、数少ない実測データ
- 🔴 デフマウントカラーは実測143g。1gあたり0.00138秒
- 費用:DIYで約30,000円、ショップ依頼で約60,000円
- デメリット:アイドリング振動が明確に増える
- 迷うなら、デフマウントカラーだけを約10,000円で先に試す
- 導入順はLSD → マウント。逆だと効果がわかりにくい
【追記】その後、2号機でもLSD換装と同時にデフマウントカラーを装着しました。詳しくはLSD換装+油脂全交換の記事をご覧ください。


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