機械式LSD WAY変更に挑戦|CUSCO type-RS SpecFの1.5WAY→2WAY化と分解整備記録【ND5ロードスター】

CUSCO type-RS SpecF 機械式LSD デフ分解直後の内部状態。LSDオイル定期交換によりギア・クラッチ面が良好。ND5ロードスター チューニング
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【機械式LSD WAY変更に挑戦】

CUSCO type-RS SpecFの1.5WAY→2WAY化と分解整備記録【ND5ロードスター】

「せっかくデフを外したなら、ついでにWAYも変えてしまおう。」

2号機(新車両)の納車まで時間がある。
すでに1号機(全損事故車)からデフキャリアを取り外してある。
そして何より、1号機での走行フィールを振り返ると、オーバーステアの出方がもう少し弱くても良かった。

条件は揃っていた。

この記事では、CUSCO type-RS SpecFの機械式LSDを1.5WAYから2WAYに変更した作業記録を実体験ベースで解説する。結論として、SpecFはクロスシャフトの移設だけでWAY変更が完結する設計になっており、専用の工具さえあれば自宅でも対応可能だ。

■ この記事でわかること

・機械式LSD(CUSCO type-RS SpecF)の1.5WAY→2WAY変更が可能な理由
・デフ分解からLSD本体分解・WAY変更・仮組みまでの全手順
・LSDオイル管理の重要性(分解で確認できた事実)
・作業に必要なベンチバイスの選定ポイント

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■ なぜ1.5WAYから2WAYに変更するのか

まず前提として、WAYの違いを整理する。

▼ 1WAY・1.5WAY・2WAYの違い

各WAYの説明1
各WAYの説明2

LSD(リミテッドスリップデフ)のWAYは、加速時・減速時それぞれでLSDが効くかどうかを決めるカムの設定だ。

・1WAY:加速時のみロック。減速時はオープンデフ同様に動作する。
・1.5WAY:加速時にフルロック、減速時に部分的にロック。
・2WAY:加速時・減速時ともに同等にロックする。

カム1.5WAYの説明
カム2WAYの説明

1.5WAYはストリートとサーキットを両立しやすい設定として広く使われる。
一方、2WAYは減速時のトレイルブレーキング(ブレーキングしながらコーナーを曲がる動作)でリアが安定しやすい。

FR 1&2WAY,1.5&2WAYタイプの説明

1号機での走行フィールを思い返すと、中速コーナーでリアが出過ぎな場面が多かった。2号機ではより安定的なセットを試したいという判断だ。

■ CUSCO type-RS SpecFだからこそ実現できる変更

▼ SpecFの設計思想

type-RSとtype-MZの違い

一般的な機械式LSDのWAY変更は、専用のカムプレートに交換する必要がある。しかしCUSCO type-RS SpecFは「1.5&2WAY」対応設計として販売されており、同一ユニット内でWAY変更が完結する。品番「LSD 429 L15」(1.5WAY出荷状態)を「LSD 429 L2」(2WAY)相当に変更できるわけだ。

2カム方式の説明

SpecFの内部には2つのカムが存在し、それぞれのカムにクロスシャフト用の溝が「1.5WAYの位置」と「2WAYの位置」の2か所に設けられている。出荷状態では1.5WAYの位置にクロスシャフトが組まれているため、これを2WAYの位置に移設するだけで変更が完結する。

■ 作業前の確認

▼ 今回の作業対象

・使用LSD:CUSCO LSD429LT15(type-RS SpecF・1.5WAY出荷状態)
・対象車両:ND5RC 6MT(全損事故から回収したユニット)
・作業目的:1.5WAY → 2WAY変更、およびLSD状態の確認
なお、作業前にデフキャリアはすでに車両から取り外し済みだった。

■ 作業記録

▼ Step 1:デフケースの分解

デフケース外観

まずデフケース外観を確認する。事故後の回収パーツだが、外観に大きな傷はない。

デフケース開封

カバーを取り外し、内部へアクセスする。

▼ Step 2:リングギア・LSD本体の確認

デフ外観1

リングギアの状態を確認する。普段からLSDオイルをまめに交換してきた甲斐あって、内部の状態は非常に良好だった。金属粉の蓄積や異常な摩耗は確認されなかった。LSDオイルの定期交換がユニットの長寿命につながることを、分解して改めて実感した。

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▼ Step 3:LSD本体の分解・クロスシャフト位置の確認

デフ分解 1.5WAYの位置にクロスシャフトあり

LSD本体を分解すると、クロスシャフトが「1.5WAYの位置」に組まれていることが確認できた。これが出荷状態だ。

デフ分解 2WAYの位置にクロスシャフトなし

同時に、「2WAYの位置」にはクロスシャフトが入っていないことを確認する。この2か所の差こそが、WAYの設定を決めている。

▼ Step 4:クロスシャフトの移設(1.5WAY → 2WAY)

デフ組立 1.5WAYの位置にクロスシャフトなし

クロスシャフトを1.5WAYの位置から取り外す。

デフ組立 2WAYの位置にクロスシャフトあり

クロスシャフトを2WAYの位置に組み込む。

デフ組立 1.5WAYの位置にクロスシャフトなし2
デフ組立 2WAYの位置にクロスシャフトあり2

2WAYの位置にクロスシャフトが移設された状態。

▼ Step 5:リングギアの仮組み

デフ組立 リングギア取付ボルト仮り締め

リングギアを取り付け、ボルトを対角線順に仮締めした。本締めは120N・m(対角締め)だが、固定するためのベンチバイスが無い。

作業台にデフケースをしっかり固定できるベンチバイスが手元に届くまで、ここで作業を一旦中断している。

■ 現在の状況と今後の予定

現在、リングギアの本締め(120N・m)を行うためのベンチバイスを手配中だ。

▼ 選定中のベンチバイス

今回の作業でわかったのは、デフケースを固定するには以下のスペックが最低限必要だということだ。
・口幅:120mm以上(デフケース外径100mmを確実に掴むため)
・口開き:120mm以上
・口深さ:100mm以上(100mmの掴みしろを確保するため)

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到着次第、本締め→液体ガスケットによるデフケース封入まで作業を完了させる予定だ。LSD換装後の実走インプレッションは、2号機納車(4月18日予定)後に別記事で公開する。

■ まとめ

CUSCO type-RS SpecFの1.5WAY→2WAYへの変更は、クロスシャフトを「1.5WAYの位置」から「2WAYの位置」に移設するだけで完結する。カムの交換や特殊な工具は不要だが、リングギアの本締め(120N・m)にはデフケースをしっかり固定できるベンチバイスが必須となる。また分解の結果、LSD内部の状態は非常に良好だった。定期的なLSDオイル交換がユニットの状態維持に直接つながることを、自分の目で確認できた点も今回の大きな収穫だ。2WAYに変更した効果の検証は、納車後の実走レポートで公開する。

次の記事も楽しみにしていただきたい。

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