ABSエラーの原因はSASモジュールの角度ズレ|ND5
メンテナンス
2026.05.22
ND5ロードスターのABSエラーの原因は、SASモジュールの角度ズレでした。取り付け角度が30°傾いていたのです。角度を正しく補正した結果、エラーは完全に消えました。セントラルサーキットの検証走行では、1分35秒906を記録しています。
この記事では、診断から修理、検証走行までの全記録をまとめます。エラー多発からの経緯はトラブルシューティング全記録で解説しました。あわせてご覧ください。
この記事でわかること
- ABSエラー多発の真の原因(SASモジュールの角度ズレ)
- 厚見自動車さんでの2回のドックインと原因特定の全過程
- 固定金具の借用・自作によるDIY修復の手順
- セントラル検証走行でABSエラーゼロを確認した結果
2号機はなぜABSエラーが多発していたのか
2号機は修復歴あり車両です。購入時から、助手席側アッパーアームの変形が疑われていました。どこかに問題を抱えている可能性があったわけです。
サーキット走行中にABSエラーが出ると、メーターにオレンジ色の「!」が点灯します。消すには、最終コーナー通過後にエンジンを切るしかありません。これでは全開走行が不可能です。
6/6の大阪舞洲ジムカーナに向けて、早急な解決が必要でした。そこで信頼できる整備工場の厚見自動車さんへ、持ち込むことにしました。
厚見自動車さんへの1回目ドックイン
最初の診断では、修復歴を踏まえた判断が下されました。ABSアクチュエーターかエアバッグECUの問題、という見立てです。
まずDSC関連部品のセンサー初期化を実施してもらいました。しかし、その後のセントラルサーキット走行で同じエラーが再発。初期化だけでは、根本的な解決になりませんでした。
2回目ドックイン|ABSエラーの原因特定
走行後にOBD2でエラーを記録し、そのまま厚見自動車さんへ直行しました。
2回目の診断では、OBD2のダイアグを改めて詳しく解析してもらいました。その結果、縦方向加速度信号が複数回表示されていると判明します。
この信号は、Gセンサーから検出されるものです。Gセンサー内蔵のSASモジュールに問題がある、と絞り込まれました。
SASモジュールの角度がABSエラーの原因だった
実車を確認したところ、担当の方はすぐに異変に気づきました。SASコントロールモジュールが、斜めに固定されていたのです。
SASコントロールモジュールは、ECUとGセンサーが一体化した部品です。取り付け角度がズレると、Gセンサーの測定値もズレます。サーキットで横Gが1.1〜1.2Gかかったとき、誤検知が起きていたと考えられます。
軽量化の際に固定金具を廃棄していた
1号機でも、軽量化のために固定金具を撤去していました。しかし1号機では、ABSエラーは発生していません。
理由はシンプルです。1号機は金具なしでも、たまたま角度が90°に近い状態でした。一方2号機は、30°傾いた状態で固定されていたのです。
「SASモジュール周辺の軽量化を行なったか」と確認され、正直に「行なった」と回答しました。すると「固定金具を元に戻しましょう」と指示が出ます。ただし金具はすでに廃棄済み。困ったことになりました。
⚠️ 軽量化でSASコントロールモジュールの固定金具を撤去してはいけません。角度ズレによるGセンサー誤検知が、ABSエラーの原因になるからです。純正金具は必ず保管しておきましょう。
在庫車両から固定金具を借用
純正部品(品番:N247-57-KX0A)の新品は、メーカー在庫なしでした。納品は7月中旬とのこと。
そこで厚見自動車さんの在庫ND5車両から、固定金具をお借りしました。SASコントロールモジュールを、正しい角度で固定できています。
ステアリングセンターの補正は自分で実施
OBD2の診断では、もう一つの問題も検出されました。ステアリングセンターのズレです。「タイロッドで補正してください」との指示。これは自分でできる作業です。
5月22日の朝一番に、イケヤフォーミュラのメイプルA-1ゲージで調整しました。このゲージによるトー調整は、精度が非常に高い。フロントのトーを微調整し、センターをしっかり出せました。
調整後のステアリングは、センターマークがばっちり真っすぐです。準備万端で、セントラルサーキットへ向かいます。
セントラルサーキットで検証走行|ABSエラーゼロ
いよいよ検証走行です。2号機シェイクダウンでは、ABSが死んだ状態で1分35秒27でした。今回は問題を解決した上での本番走行になります。
最大の懸念は、バックストレート後の右コーナーでした。これまで毎回、ここでエラーが出ていたからです。
アウトラップを慎重に走り、次のラップから全開アタックを開始。右コーナーに差し掛かっても、エラーは点灯しません。次のコーナーでも同様です。最後まで一度も発生しませんでした。完全解決です。
✅ SASモジュールの角度補正により、鬼門の右コーナーでもエラーゼロ。NS-2R 4部山で、ベスト1分35秒906を記録しました。
シェイクダウンの1分35秒27より0.6秒遅い記録です。ただし今回は、アウトラップ後の3ラップだけの検証走行でした。タイヤは4部山のNS-2R。タイムを詰めるための走行ではありません。目的は、エラーが出ないことの確認でした。
それでも、安価なNS-2R 195/55R15の4部山という条件なら十分な数字です。タイヤ選びはサーキットタイヤ6種比較も参考にしてください。
これで、6/6の大阪舞洲ジムカーナにも不安なく参戦できます。
帰宅後|自作固定金具で返却
帰宅後、一つの課題が残りました。お借りした固定金具を、早急に返却する必要があります。ただし純正金具の納品は7月中旬。それまでは、自作の固定金具で対応することにしました。
SASモジュールの位置関係を精密にメモ
まず、金尺とノギスでモジュールと車体の位置関係を計測しました。手書きでメモに残します。X・Y・Z軸の寸法と角度の把握が、自作の前提だからです。取り付け位置の記録も欠かせません。
記録が完了したら、SASコントロールモジュールを取り外しました。これで返却の準備が整います。
コーナンプロで部材を購入し自作金具を完成
いつものコーナンプロで部材を購入し、自作金具を製作しました。重要なポイントは、次の4点です。
- X軸(横方向)を90°に保つ(汎用ステーで対応)
- Y軸(縦方向)を90°に保つ(汎用ステーで対応)
- Z軸(高さ方向)を90°に保つ(板厚15mmのゴム板で対応)
- 純正金具と同じ取り付け位置を再現する
自作金具による仮固定が完了しました。これで、お借りした金具をお返しできます。7月中旬に純正金具が届き次第、正式に交換します。
よくある質問
Q. ABSエラーの原因は何でしたか?
SASコントロールモジュールの取り付け角度が30°ズレていたことです。その結果、横Gが1.1〜1.2Gかかるとセンサーが誤検知していました。角度補正後は、エラーゼロを確認しています。
Q. SASコントロールモジュールとは何ですか?
ECUとGセンサーが一体化した部品です。車両の加速度を検出する要の部品なので、取り付け角度がズレると測定値も狂います。
Q. 軽量化で固定金具を外しても大丈夫ですか?
おすすめしません。実際、金具なしで角度がズレた2号機はエラーが多発しました。たまたま90°近くを保った1号機は無事でしたが、これは運任せです。純正金具は必ず保管してください。
Q. 純正固定金具の品番と納期は?
品番はN247-57-KX0Aです。当時はメーカー在庫なしで、納期は約2か月でした。汎用ステーとゴム板があれば、自作での仮対応も可能です。
まとめ|ABSエラーは厚見自動車さんのおかげで解決
今回のABSエラー解決の流れをまとめます。原因は、SASコントロールモジュールの角度が30°ズレていたこと。軽量化の際に固定金具を廃棄したことが、引き金でした。
- 厚見自動車さんの在庫から固定金具を借用・取り付け
- ステアリングセンターのズレをタイロッドで補正
- セントラル検証走行でABSエラーゼロを確認
今回のトラブルを通じて、厚見自動車さんの診断力の高さを改めて実感しました。修復歴あり車両ならではの複雑なトラブルです。それでもOBD2データを丁寧に読み解き、原因を特定してくださいました。
気軽に相談できる整備工場の存在は、走る人間にとって非常に心強い。厚見自動車さん、本当にありがとうございました。6/6の大阪舞洲ジムカーナでは、2号機の全力でタイムアタックに臨みます。
【追記】その後、6/6の大阪舞洲ジムカーナに無事参戦できました。詳しくは舞洲ジムカーナ80参戦記をご覧ください。
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