サイドターンを解禁した瞬間、タイムが0.576秒縮みました。2026年8月10日、舞洲スポーツアイランドで開かれたモータースポーツ教室での実測です。午前はグリップ走行だけで52秒903が限界。ところが午後に解禁すると、52秒327まで一気に届きました。
しかも縮んだのはベストだけではありません。52秒台に入った本数が、午前は8本中2本、午後は6本中5本に変わりました。単発のまぐれではなく、再現性そのものが上がったわけです。
この記事では、全14本の生タイムを公開します。昼休憩でやった2つの変更も出します。1部山のナンカンNS-2Rがどこまで戦えたかも、実測のまま載せました。
この記事でわかること
- サイドターンでタイムがどれだけ変わったかの実測値
- 1速まで落としても速かった理由
- リアスタビをキャンセルした効果
- 1部山の街乗りタイヤで12台中3位を取れたのかどうか
サイドターンを練習しに、9連休の初日に舞洲へ行った
きっかけは3つあります。久しぶりにサイドターンを引きまくりたかったこと。街乗り用のNS-2Rが1部山まで減っていたこと。そしてリアスタビの有無を、タイムで比べたかったことです。
そこでエキシージに乗る友人と画策して、モータースポーツ教室にエントリーしました。当日は快晴で、気温もかなり上がっています。正直に言えば走るには過酷な一日です。ところが同じことを考える人間が、10名ほど集まっていました(笑)
※このイベントは、大阪市の舞洲スポーツアイランドで開催されるモータースポーツ教室です。当ブログにたびたび登場する「大阪舞洲ジムカーナ(舞ジム)」は、名前は似ていますが泉大津フェニックスで開催される別のイベントになります。

エントリーは1日中プランを選びました。午前が9時から11時30分、午後が12時30分から15時までです。半日プランもありましたが、午前だけでコースを攻略できる自信がありませんでした。結果として、この判断は正解になります。
午前はグリップ走行だけで52秒903が限界だった
午前中は、あえてサイドターンを封印しました。グリップ走行だけでどこまで詰められるかを知りたかったからです。リアスタビも装着したまま走っています。

1本目は慣熟で58秒250。2本目から53秒台へ入り、5本目で52秒903が出ます。ところが、ここが午前の壁でした。8本走って52秒台は2本だけ。あとはすべて53秒台です。
原因ははっきりしています。グリップだけで走ると、向きが変わりきる前にアクセルを開けられません。パイロンの奥で舵角が残り、立ち上がりがその分だけ遅れます。頭では分かっていても、タイムは53秒前後で固まってしまいました。
この午前の走りを、友人が外から撮ってくれました。車載映像では見えない車体の姿勢が分かります。リアが最後まで踏ん張っている様子も確認できます。

昼休憩でやった2つの変更
1時間の昼休憩に、2つだけ手を入れました。どちらも工具さえあれば現場でできる作業です。
減ったフロントタイヤをリアへローテーション
午前の8本で、フロントの摩耗が明らかに進んでいました。そこで前後を入れ替えます。ただし目的は、単なる摩耗の平準化ではありません。減ったタイヤをリアへ回して、意図的に流れやすい状態を作りました。

リアスタビをキャンセルした
次にリアスタビのキャンセルです。リアのロール剛性を抜くと、接地荷重の変動が穏やかになります。トラクションがかかりやすくなる一方で、アンダーステア方向にも振れやすい。サイドターンを多用するなら、この特性が好都合です。

この5分で切り替えられる仕様は、7月に用意しました。詳しい作りはリアスタビライザーのあり・なし5分切替仕様に書いています。現場で試せる状態にしておいたから、今回の比較ができました。
午後はサイドターンで1速に落としても速かった
午後の1本目、いきなり52秒488が出ました。午前のベストを0.4秒上回っています。正直、ここまで変わるとは思っていませんでした。
走っているうちに、ひとつ気づきます。1速に落としてサイドターンしても、タイムが落ちないのです。
これは意外でした。一般には、シフトダウンとシフトアップのロスで不利になると考えるからです。ところがND5の場合、1速の加速がそれを補って余りある。回転が高い位置に残るので、アクセルを開けた瞬間からトルクが立ち上がります。低速コーナーの多いこのコースでは、その差が効きました。
最終14本目で、この日のベストとなる52秒327をマークします。1日の最後の1本で自己ベストが出るのは、かなり気持ちがいい。
全14本のタイムを公開する
ベストだけ並べても意味がありません。走った14本すべてを出します。
| 本数 | 午前 | 午後 |
|---|---|---|
| 1 | 58.250 | 52.488 |
| 2 | 53.184 | 52.961 |
| 3 | 53.605 | 52.842 |
| 4 | 53.424 | 57.071 |
| 5 | 52.903 | 52.632 |
| 6 | 53.424 | 52.327 |
| 7 | 52.933 | — |
| 8 | 53.095 | — |
午後の4本目、通算12本目の57秒071はパイロンタッチです。攻めすぎた1本も、そのまま載せておきます。
数字でまとめると、変化がはっきりします。
| 項目 | 午前 | 午後 |
|---|---|---|
| ベスト | 52.903 | 52.327 |
| 平均 | 53.224 | 52.650 |
| 52秒台の本数 | 2/8本 | 5/6本 |
※平均は、慣熟の1本目とパイロンタッチの1本を除いた数値です。
ベストの更新幅は0.576秒でした。ただし、それ以上に大きいのが最下段です。52秒台に入った割合が、25%から83%へ変わっています。速い1本を出す技術ではなく、速い走りを繰り返す技術だったわけです。
参加12台の中で3位、ND5では1番手
| 順位 | 車種 | ベスト |
|---|---|---|
| 1 | エキシージ | 48.727 |
| 2 | GRヤリス(講師) | 51.628 |
| 3 | ND5(当車) | 52.327 |
| 4 | ND5 | 52.354 |
| 5 | GR86 | 52.998 |
| 6 | NB8C | 53.327 |
※上位6台を抜粋しています。
2位のGRヤリスは、参加者ではなく講師の方でした。1位のエキシージは友人の車です。48秒台には、ND5では正直まったく歯が立ちません。
ただし、この48秒727を記録したのは私でした。友人のエキシージに乗せてもらって出した参考タイムです。同じコースを違う車で走ると、ここまで変わります。運転しているのは同じ人間なので、腕ではなく車の差だとはっきり言えます(笑)
そのときの車載映像がこちらです。
むしろ注目してほしいのは4位との差です。同じND5に対して、わずか0.027秒でした。相手はRE-71RZやシバタイヤ200Rを履いています。こちらは1部山のNS-2R。タイヤの格上を相手に、この差なら健闘したと言えます。
感覚としては、シバタイヤ200Rで臨めばもう1段上が見えます。なお舞洲ジムカーナ80の参戦記では48秒840を出していますが、あちらは泉大津フェニックスの別コース。タイムを直接比べることはできません。
1部山のNS-2Rはどこまで持ったか
今回の裏テーマが、終わりかけのタイヤを使い切ることでした。走行後の状態がこちらです。


結論を言えば、1部山でも十分に走れました。新品と比べると絶対的なグリップは落ちます。それでも52秒327が出た事実があります。練習用としては、最後まで戦力になると言えます。
むしろサイドターンの練習には、グリップが低めのタイヤのほうが向いています。リアが破綻する領域を、安全な速度で体験できるからです。新品のハイグリップだと限界が高すぎて、逆に学びにくい。街乗りタイヤで練習会に出るのは、けっして妥協ではありません。
今回のタイヤは、手組みで装着したものです。作業の様子はRPF1RS到着とNS-2Rの手組み記録で公開しています。
当日の車両仕様
タイムの前提として、仕様を残しておきます。
- ホイール:エンケイ RPF1RS 8.0J+28
- タイヤ:ナンカン NS-2R 195/55R15(1部山)
- 足回り:テイン MONO SPORT(F7kg/R5kg)減衰4段戻し
- アライメント前:キャンバー左-2.77°/右-2.83°、トー0°、キャスターMAX立て
- アライメント後:キャンバー左-3.02°/右-3.03°、トー0°
- ブレーキ:ディクセル ES
- 吸気系:マツダ純正のまま
- 排気系:BE FREE センターダブル出しマフラー
- 電装系:KSROM
- 駆動系:クスコ LSD Type-RS Spec-F 2WAY+デフマウントカラー
- シート:ブリッド ZETA Ⅳ
- ステアリング:モモ FULL SPEED
アライメントは、4月にDIYで出した数値を維持しています。詰め方はDIYアライメント調整の全記録に書きました。足回りの詳細はテイン MONO SPORTのレビュー、LSDの2WAY化はWAY変更の分解整備記録にまとめてあります。
明日やること
1部山のNS-2Rは、これで役目を終えました。明日は同じサイズのNS-2へ組み替えます。ここからは、街乗り用としてライフ重視の運用に戻します。
格安輸入タイヤの品揃えは国内最大級
オートウェイ公式サイトでタイヤを探すあわせてエンジンオイルも交換します。2号機が納車から3,000kmに達したためです。翌日の作業と、1年2か月ぶんの摩耗・重量比較はNS-2Rを使い切った記録で公開しました。

まとめ|サイドターンは再現性を上げる技術だった
最後に、今回の実測をまとめます。
- ベストが52.903から52.327へ、0.576秒の短縮
- 52秒台の割合が、25%から83%へ改善
- 1速まで落としても失速せず、むしろ立ち上がりが速い
- スタビキャンセルとローテーションで、リアを意図的に流れやすくした
- 1部山のタイヤでも、12台中3位でND5では1番手
一番の収穫は、速い1本ではなく再現性が生まれたことです。ベストの0.5秒も嬉しい。しかし8本中2本だった52秒台が、6本中5本になった事実のほうが大きい。今後に効いてくるのは、そちらだと思います。
1部山の街乗りタイヤでも、練習会は十分に成立しました。むしろ限界が低いぶん、リアが動き出す瞬間を安全に覚えられます。ジムカーナを始めたい方には、ハイグリップタイヤで迷うより、まずセカンドグレードで出てみることをすすめます。限界が高すぎるタイヤでは、その限界を引き出すこと自体が難しいからです。


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