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サイドターンを解禁した瞬間、タイムが0.576秒縮みました。2026年8月10日の実測です。舞洲スポーツアイランドの、モータースポーツ教室でした。午前はグリップ走行だけで52秒903が限界。ところが午後に解禁すると、52秒327まで一気に届きました。
しかも縮んだのはベストだけではありません。52秒台に入った本数が、午前は8本中2本、午後は6本中5本に変わりました。つまり単発のまぐれではなく、再現性そのものが上がったわけです。
この記事では、全14本の生タイムを公開します。昼休憩でやった変更も全部出します。1部山のナンカンNS-2Rがどこまで戦えたかも、実測のまま載せました。
この記事でわかること
- サイドターンでタイムがどれだけ変わったかの実測値
- ベストより大きかった「再現性」の変化
- 1速まで落としても速かった理由
- この実測の弱点(変数を3つ動かした話)
- 1部山の街乗りタイヤで12台中3位を取れたのかどうか
先に結論|0.576秒より大きかったもの
まず、数字を全部並べます。
| 項目 | 午前(グリップ) | 午後(サイドターン) |
|---|---|---|
| ベスト | 52.903 | 52.327 |
| 平均 | 53.224 | 52.650 |
| 52秒台の割合 | 2/8本(25%) | 5/6本(83%) |
| 本数 | 8本 | 6本 |
✅ ベストは0.576秒、平均は0.574秒の短縮です。しかも両方がほぼ同じ幅で動いています。つまり偶然ではありません。
ただし、いちばん大きいのは最下段です。52秒台の割合が、25%から83%へ変わりました。速い1本を出す技術ではなく、速い走りを繰り返す技術だったわけです。
14本のタイムを残せた理由
この記事は、全14本の数字があって初めて成立します。ベストだけなら「0.5秒縮んだ」で終わっていました。
✅ GPS計測器なら、走るたびに自動で残ります。しかも区間ごとの差まで見られます。つまり「どのコーナーで速いのか」が分かります。
ℹ️ 多くの走行会では、ポンダーが1回1,000〜2,000円でレンタルできます。だから月1回走るなら、1〜2年で回収できる計算です。
サイドターンを練習しに、9連休の初日に舞洲へ行った
きっかけは3つあります。久しぶりにサイドターンを引きまくりたかったこと。街乗り用のNS-2Rが1部山まで減っていたこと。そしてリアスタビの有無を、タイムで比べたかったことです。
そこでエキシージに乗る友人と画策して、モータースポーツ教室にエントリーしました。当日は快晴で、気温もかなり上がっています。正直に言えば走るには過酷な一日です。ところが同じことを考える人間が、10名ほど集まっていました(笑)。
※このイベントは、大阪市の舞洲スポーツアイランドのモータースポーツ教室です。当ブログの「大阪舞洲ジムカーナ(舞ジム)」とは別になります。あちらは泉大津フェニックスでの開催です。

エントリーは1日中プランを選びました。午前が9時から11時30分、午後が12時30分から15時までです。半日プランもありましたが、午前だけでコースを攻略できる自信がありませんでした。結果として、この判断は正解になります。
午前はグリップ走行だけで52秒903が限界だった
午前中は、あえてサイドターンを封印しました。グリップ走行だけでどこまで詰められるかを知りたかったからです。リアスタビも装着したまま走っています。

1本目は慣熟で58秒250。2本目から53秒台へ入り、5本目で52秒903が出ます。ところが、ここが午前の壁でした。8本走って52秒台は2本だけ。あとはすべて53秒台です。
原因ははっきりしています。グリップだけで走ると、向きが変わりきる前にアクセルを開けられません。つまりパイロンの奥で舵角が残り、立ち上がりがその分だけ遅れます。頭では分かっていても、タイムは53秒前後で固まってしまいました。
この午前の走りを、友人が外から撮ってくれました。車載映像では見えない車体の姿勢が分かります。しかもリアが最後まで踏ん張っている様子も確認できます。

昼休憩でやった2つの変更
1時間の昼休憩に、2つだけ手を入れました。どちらも工具さえあれば現場でできる作業です。
減ったフロントタイヤをリアへローテーション
午前の8本で、フロントの摩耗が明らかに進んでいました。そこで前後を入れ替えます。ただし目的は、単なる摩耗の平準化ではありません。減ったタイヤをリアへ回して、意図的に流れやすい状態を作りました。

✅ 1時間の休憩で4本を回すなら、インパクトが要ります。手回しでは、昼食の時間がなくなります。
🔴 ただし締めるほうは、必ずトルクレンチです。走行会でホイールが外れる事故は、実際に起きています。
ℹ️ 現地で何度も脱着するなら、ナットも影響します。純正ナットはソケットに噛み込みやすいところです。
リアスタビをキャンセルした
次にリアスタビのキャンセルです。リアのロール剛性を抜くと、接地荷重の変動が穏やかになります。つまりトラクションがかかりやすくなる一方で、アンダーステア方向にも振れやすい。サイドターンを多用するなら、この特性が好都合です。

この5分で切り替えられる仕様は、7月に用意しました。詳しい作りはリアスタビライザーのあり・なし5分切替仕様に書いています。現場で試せる状態にしておいたから、今回の比較ができました。
ℹ️ 逆方向に振るなら、強化スタビという手もあります。純正φ11に対して、φ14で純正比325%(メーカー公表値)です。
🔴 正直に書きます|変数を3つ動かしました
ここは先に告白しておきます。この0.576秒は、サイドターンだけの効果ではありません。
| 変えたもの | 狙い |
|---|---|
| サイドターン | 封印 → 解禁 |
| タイヤ | 減ったほうをリアへ |
| リアスタビ | あり → キャンセル |
⚠️ 3つとも「リアを流しやすくする」方向です。つまり効果が同じ向きに重なっています。だから個別の寄与は、この日の数字では分かりません。
✅ それでも記録として出す価値はあります。「この3つを同時にやると0.576秒」という事実は残るからです。次は1つずつ戻して確かめます。
午後はサイドターンで1速に落としても速かった
午後の1本目、いきなり52秒488が出ました。つまり午前のベストを0.415秒上回っています。正直、ここまで変わるとは思っていませんでした。
走っているうちに、ひとつ気づきます。1速に落としてサイドターンしても、タイムが落ちないのです。
これは意外でした。一般には、シフトダウンとシフトアップのロスで不利になると考えるからです。ところがND5の場合、1速の加速がそれを補って余りある。
✅ 理由は回転域です。回転が高い位置に残るので、アクセルを開けた瞬間からトルクが立ち上がります。低速コーナーの多いこのコースでは、その差が効きました。
最終14本目で、この日のベストとなる52秒327をマークします。1日の最後の1本で自己ベストが出るのは、かなり気持ちがいい。
全14本のタイムを公開する
ベストだけ並べても意味がありません。だから走った14本すべてを出します。
| 本数 | 午前 | 午後 |
|---|---|---|
| 1 | 58.250 | 52.488 |
| 2 | 53.184 | 52.961 |
| 3 | 53.605 | 52.842 |
| 4 | 53.424 | 57.071 |
| 5 | 52.903 | 52.632 |
| 6 | 53.424 | 52.327 |
| 7 | 52.933 | — |
| 8 | 53.095 | — |
午後の4本目、通算12本目の57秒071はパイロンタッチです。攻めすぎた1本も、そのまま載せておきます。
※平均は、慣熟の1本目とパイロンタッチの1本を除いた数値です。
⚠️ そして比較の前提として、空気圧は揃えています。10kPaで曲がり方が変わるからです。
ℹ️ 抜くのは簡単ですが、足すほうは道具が要ります。現地で戻せないと、揃えようがありません。
参加12台の中で3位、ND5では1番手
| 順位 | 車種 | ベスト |
|---|---|---|
| 1 | エキシージ(筆者が運転) | 48.727 |
| 2 | GRヤリス(講師) | 51.628 |
| 3 | ND5(当車) | 52.327 |
| 4 | ND5 | 52.354 |
| 5 | GR86 | 52.998 |
| 6 | NB8C | 53.327 |
※上位6台を抜粋しています。
⚠️ 1位と3位は、同じ人間が運転しています
ここは紛らわしいので、はっきり書きます。1位の48秒727を記録したのは私です。
友人のエキシージに乗せてもらって出した、参考タイムになります。つまり同じコースを、同じ人間が、違う車で走った記録です。だから腕ではなく、車の差だとはっきり言えます(笑)。
2位のGRヤリスは、参加者ではなく講師の方でした。48秒台には、ND5では正直まったく歯が立ちません。
本当に注目すべきは、4位との0.027秒
むしろ見てほしいのは、すぐ下です。同じND5に対して、わずか0.027秒差でした。
相手はRE-71RZやシバタイヤ200Rを履いています。こちらは1部山のNS-2R。つまりタイヤの格上を相手に、この差なら健闘したと言えます。
✅ 感覚としては、シバタイヤ200Rで臨めばもう1段上が見えます。同サイズの実測で、A052との差は0.1kgでした。
なお舞洲ジムカーナ80の参戦記では48秒840を出しています。ただしあちらは泉大津フェニックスの別コース。つまりタイムを直接比べることはできません。
1部山のNS-2Rはどこまで持ったか
今回の裏テーマが、終わりかけのタイヤを使い切ることでした。走行後の状態がこちらです。


結論を言えば、1部山でも十分に走れました。新品と比べると絶対的なグリップは落ちます。それでも52秒327が出た事実があります。つまり練習用としては、最後まで戦力になると言えます。
💡 サイドターンの練習は、グリップが低いほうが向いています
ここは意外に思われるところです。新品のハイグリップだと、逆に学びにくい。
理由は限界の高さです。リアが破綻する領域まで、速度が上がりすぎます。つまり怖くて、そこまで踏めません。
✅ 逆にグリップが低めだと、リアが破綻する瞬間を安全な速度で体験できます。だから街乗りタイヤで練習会に出るのは、けっして妥協ではありません。
今回のタイヤは、手組みで装着したものです。作業の様子はRPF1RS到着とNS-2Rの手組み記録で公開しています。
当日の車両仕様
タイムの前提として、仕様を残しておきます。
| 部位 | 仕様 |
|---|---|
| ホイール | エンケイ RPF1RS 8.0J+28 |
| タイヤ | ナンカン NS-2R 195/55R15(1部山) |
| 足回り | テイン MONO SPORT(F7kg/R5kg)減衰4段戻し |
| アライメント | フロントキャンバー左-2.77°/右-2.83°、トー0° リアキャンバー左-3.02°/右-3.03°、トー0° |
| ブレーキ | ディクセル ES |
| 吸気系 | マツダ純正のまま |
| 排気系 | BE FREE センターダブル出しマフラー |
| 電装系 | KSROM |
| 駆動系 | クスコ LSD Type-RS Spec-F 2WAY+デフマウントカラー |
| シート | ブリッド ZETA Ⅳ |
| ステアリング | モモ FULL SPEED |
この仕様で、効いていた部品
サイドターンを多用する日に、はっきり効いたものを挙げます。
✅ まず車高調です。減衰4段戻しという数字が出せるのは、調整できる足があるからです。
🔴 そしてLSDです。サイドターン後の立ち上がりで、片輪が空転したらタイムになりません。2WAYは減速側にも効きます。
ℹ️ デフマウントカラーも併用しています。純正ゴムが逃げると、効きがぼやけます。
⚠️ ブレーキは、サイドターン前の減速で酷使します。14本走ってもタッチが変わらないのは、ここの余裕です。
✅ そして身体が止まると、腕の力が操作だけに使えます。サイドターンは舵の当て込みが多いので、ここは効きます。
ℹ️ ホイールは15インチ8Jで5.4kg。純正の6.9kgより、1本あたり1.5kg軽い計算になります。
ℹ️ マフラーは1号機からの移植です。純正から7kg近く軽くなりました。
アライメントの詰め方はDIYアライメント調整の全記録に書きました。足回りの詳細はテイン MONO SPORTのレビューへ。LSDの2WAY化はWAY変更の分解整備記録にあります。
ℹ️ キャンバーの現状把握だけなら、マグネット付きの角度計でも足ります。ハブ面に当てれば、その場で出ます。
⚠️ ただし精度は±0.2°です。トーの0.06°判定には使えません。そこはゲージの仕事になります。
明日やること
1部山のNS-2Rは、これで役目を終えました。明日は同じサイズのNS-2へ組み替えます。つまりここからは、街乗り用としてライフ重視の運用に戻します。
ℹ️ 通販のほうが安いことがあります。15インチは、店頭在庫が薄いところです。
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あわせてエンジンオイルも交換します。2号機が納車から3,000kmに達したためです。翌日の作業はNS-2Rを使い切った記録で公開しました。1年2か月ぶんの摩耗・重量比較も載せています。

よくある質問
Q. サイドターンは必ず速くなりますか?
コース次第です。今回のように低速コーナーが多く、180度に近い切り返しがあるコースでは有効でした。ただし高速コーナー主体のコースでは、グリップで曲がったほうが速い場面もあります。
Q. 1速まで落としても本当に遅くならない?
ND5・このコースでは落ちませんでした。回転が高い位置に残るので、アクセルを開けた瞬間からトルクが立ち上がるからです。ただし車種とギア比で結果は変わります。
Q. 0.576秒はサイドターンだけの効果ですか?
違います。昼休憩でタイヤのローテーションとリアスタビのキャンセルも同時に行いました。3つとも「リアを流しやすくする」方向なので、効果が重なっています。個別の寄与は、この日の数字では切り分けられません。
Q. 練習に使うタイヤは何がいいですか?
グリップが低めのもので十分です。むしろハイグリップだと限界が高すぎて、リアが破綻する瞬間を体験しにくくなります。セカンドグレードのラジアルや、減ったタイヤの使い切りが向いています。
まとめ|サイドターンは再現性を上げる技術だった
最後に、今回の実測をまとめます。
- ベストが52.903から52.327へ、0.576秒の短縮
- 52秒台の割合が、25%から83%へ改善
- 1速まで落としても失速せず、むしろ立ち上がりが速い
- ただし変数を3つ同時に動かしたので、個別の寄与は未確定
- 1部山のタイヤでも、12台中3位でND5では1番手
一番の収穫は、速い1本ではなく再現性が生まれたことです。ベストの0.5秒も嬉しい。しかし8本中2本だった52秒台が、6本中5本になった事実のほうが大きい。今後に効いてくるのは、そちらだと思います。
1部山の街乗りタイヤでも、練習会は十分に成立しました。むしろ限界が低いぶん、リアが動き出す瞬間を安全に覚えられます。
✅ ジムカーナを始めたい方には、まずセカンドグレードで出てみることをすすめます。限界が高すぎるタイヤでは、その限界を引き出すこと自体が難しいからです。


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