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2026年10月10日、セントラルサーキットへ行ってきました。ND5ロードスター2号機でのタイムアタックです。結果は1分34秒156。1号機の通算ベスト1分32秒001には2.155秒届きませんでした。結論から言うと、差の正体は気温と路面温度です。
この記事には、走行前のキャンバー実測を残しました。さらに14周ぶんのラップタイムと、1号機との全コーナー比較も載せます。そして気温がタイムに効く仕組みを、計算で出しました。
結論|セントラルサーキットで1分34秒156、1号機まで2.155秒
先に、セントラルサーキットでの結果だけ並べます。
| 日付 | 2026年10月10日(土) |
| コース | セントラルサーキット(兵庫県多可町) |
| 走行枠 | 9:10〜9:40/4Sクラス |
| ベストラップ | 1分34秒156(14周中の30周目) |
| 最高速 | 164.5km/h |
| 2番手 | 1分34秒22 |
| 3番手 | 1分34秒25 |
| クリアラップ7本の平均 | 1分34秒47 |
| 気温 | 22℃(湿度約78%・ほぼ無風) |
2号機のセントラルサーキット自己ベストは1分35秒27です。シェイクダウン時に出した数字でした。つまり1.11秒の更新になります。ただし1号機の通算ベスト1分32秒001には2.155秒届きません。
そして今回いちばん気になったのが最高速です。164.5km/hで頭打ちになりました。1号機は168.6km/hまで伸びていたので、4.1km/hも足りません。
走る前に、キャンバーを水平な場所で実測した
セントラルサーキットに行く前日、まず現状のキャンバー角を測りました。バネをMAQsのF12kg/R8kgに替え、さらに車高も動かしています。だから今どうなっているかを把握していませんでした。

測定はIKEYA FORMULAのメープルA-1ゲージを使います。1号機で10回以上調整してきた道具なので、使い方は体が覚えています。

測定前に、左右のサイドシルを体重70kgで10回踏みつけました。サスペンションを馴らして、1G状態を再現するためです。この手順を省くと数値が安定しません。
では、4輪の実測値を見てください。




| フロント運転席側 | −3.49° |
| フロント助手席側 | −4.11° |
| リア運転席側 | −3.65° |
| リア助手席側 | −3.70° |
この角度を読み取るには、デジタル水平器が必要になります。アナログのゲージだと0.1°の差が見えません。
車高を動かすと、キャンバーは想像以上に付く
2026年7月にアライメントを取っています。そのときのフロントは−2.83°と−2.77°でした。記録にはこう書いてあります。「偏芯カラー未装着なのでフロントは−3°が物理上限」と。
ところが今回は−4.11°です。3か月で1.3°以上増えました。

全下げ状態ではフロントが489mmと482mmでした。そこからレバー比を考慮して調整しました。フロント1.47、リア1.01です。結果は515mmと519mmになりました。
つまり上げたあとでも−4.11°ということです。全下げのときは、肉眼でもはっきりわかるほど寝ていました。

車高を10mm下げると、サスペンションは10mmバンプ側に沈みます。ダブルウィッシュボーンもマルチリンクも、バンプでネガキャンが増える設計です。だから車高とキャンバーは必ず連動します。
バネを12kgに上げたので沈み込みは減りました。しかし最終的な車高が低ければ、アームの角度は寝たままです。ここを誤解していました。
バネレートの決め方は、こちらの記事で計算しています。
バネレートを12kgへ|ND5のレバー比で実効8.2kgの根拠
リアは8kgです。フロントとはレバー比が違うので、同じ数字でも効き方がまったく変わります。
セントラルサーキットの枠選び|3枠を見送った理由

この日のセントラルサーキットは、朝から多くのアタッカーで賑わっていました。ライセンス会員枠も大盛況です。
そこで1枠目は見送りました。1分20秒台の車両が多数走ると予想したからです。クリアラップが取れないと、タイムを出す以前の話になります。
選んだのは9時10分からの2枠目でした。結果的にこの判断は正解です。14周のうち7本がクリアラップになりました。
セントラルサーキットでの計測には、デジスパイス4を使っています。GPSロガーなので、ラップごとの最高速まで記録できます。
タイヤは前後異形で走ることにした
来週に舞洲ジムカーナ82を控えています。だからシバタイヤR31 200Rを4本とも使い切れません。サイズは205/50R15です。
そこで前後異形で行くことにしました。フロントがR31、リアがR23 200R 225/45R15です。


ここで問題が1つあります。4日前のTSタカタサーキットでの話です。前後通しのほうが0.538秒速いという実測が出ていました。
TSタカタで1分0秒615|バネレートF12kg/R8kgの実測
つまり今回は、遅いとわかっている構成で走ったことになります。それでもタイヤを温存する必要があったので、割り切りました。
ホイールはENKEI RPF1RSの8J+28です。フロント205、リア225をどちらも問題なく組めます。
空気圧は走行前と走行後の両方で必ず測ります。温間と冷間で0.3kgf/cm²は簡単に変わるからです。
タイヤ交換のたびにナットも締め直します。サーキットでは、ここを手抜きできません。
本締めは必ずトルクレンチで108N・mです。インパクトだけで終わらせると、ハブもローターも歪みます。
アタック開始|ABSエラーは一度も出なかった
いちばん懸念していたのがABSエラーでした。2号機では過去に発生していたからです。
結果から言うと、14周を走り切って一度も出ませんでした。だから最初から最後までアタックに集中できています。
この日のブレーキパッドはプロジェクトミューのRACING-N+でした。セントラルサーキットのような高速コースでは、安定した初期制動が効きます。
ブレーキパッドの選び方は、別記事でまとめています。
もう少し踏力を抑えたいなら、WinmaXのMC3という選択肢もあります。
14周のラップタイム全記録
セントラルサーキットでのデジスパイスの記録を、そのまま載せます。


| 周 | タイム | 最高速 |
| 20 | 1分36秒36 | 159.5km/h |
| 21 | 1分34秒85 | 162.5km/h |
| 22 | 1分39秒85 | 155.8km/h |
| 23 | 1分36秒50 | 163.2km/h |
| 24 | 1分34秒25 | 163.0km/h |
| 25 | 1分34秒22 | 163.4km/h |
| 26 | 1分36秒04 | 163.5km/h |
| 27 | 1分36秒97 | 164.5km/h |
| 28 | 1分35秒08 | 163.1km/h |
| 29 | 1分34秒32 | 163.6km/h |
| 30 | 1分34秒16 | 164.5km/h |
| 31 | 2分07秒46 | 153.2km/h |
| 32 | 1分39秒71 | 163.6km/h |
| 33 | 1分34秒40 | 164.3km/h |

注目してほしいのは27周目です。最高速は164.5km/hでこの日いちばんなのに、タイムは1分36秒97でした。つまりストレートは速いのにコーナーで詰まっています。前車の影響を受けたラップです。
そこで26周目・27周目・32周目を除いた7本がクリアラップになります。
- 1分34秒85
- 1分34秒25
- 1分34秒22
- 1分35秒08
- 1分34秒32
- 1分34秒16
- 1分34秒40
7本中6本が1分34秒1〜34秒4に収まりました。ばらつきは0.92秒です。1号機の同条件では1.75秒ばらついていました。
そのベストラップが、こちらです。
要するに、車としての再現性は上がっています。MAQsのバネとCUSCOの2WAY LSDが効いている部分です。
LSDオイルは走行5回ごとに交換しています。機械式は油脂で挙動が変わります。
1号機と全コーナーを比較した
比較に使ったのは1号機の最速ラップ1分32秒001です。それと今回の2号機を、各コーナーで突き合わせました。

左が今回の2号機、右が1号機の最速ラップです。
| コーナー | 最高速(2号機/1号機) | ボトム(2号機/1号機) |
| 1コーナー | 159/161km/h | 68/71km/h |
| 4コーナー | 164/167km/h | 72/76km/h |
| 5コーナー | 164/167km/h | 72/76km/h |
| 6コーナー | 98/103km/h | 95/95km/h |
| 7コーナー | 105/107km/h | 97/96km/h |
| 8コーナー | 126/130km/h | 53/53km/h |
| 10コーナー | 114/116km/h | 96/94km/h |
| 11コーナー | 111/112km/h | 91/99km/h |
| 最終コーナー | 109/112km/h | 46/49km/h |
ほぼ全区間で1号機が上回っています。差は2〜5km/hです。
ただしボトムスピードを見てください。6コーナーと8コーナーは同値です。しかも7コーナーと10コーナーでは2号機が上回っています。つまりコーナリング速度そのものは負けていません。
負けているのは、立ち上がりから次のブレーキングまでの伸びです。言い換えると加速側です。
最高速が164.5km/hで止まった理由
セントラルサーキットで伸びなかった原因は、気温と路面温度です。ここを計算で出します。
ND5は終端速度の77%でしか走っていない
まず前提を1つ確認します。ND5の終端速度を計算してみました。
- 駆動輪出力 131ps × 0.88 ≒ 115ps = 84.6kW
- CdA 約0.63m²(幌クローズ)
- 転がり抵抗 約118N
- 84,600W = ½ × 1.18 × 0.63 × v³ + 118v
- → v ≒ 59.3m/s = 約213km/h
終端速度は約213km/hです。つまり実測の164.5km/hは、その77%にすぎません。
言い換えると、ストレートエンドでもまだ全力で加速している途中だということです。ここが重要になります。
空気が7.3%薄いと、加速力は8%落ちる
1号機のベストが出たのは2025年12月27日でした。西脇アメダスの日平均気温は3.0℃です。
一方この日は22℃まで上がりました。空気密度に換算すると7.3%薄くなります。
| 日付 | 気温 | 空気密度 | ベスト | 最高速 |
| 2025/12/27 | 3.0℃ | 1.264kg/m³ | 1分32秒001 | 168.0km/h |
| 2025/10/25 | 16.6℃ | 1.201kg/m³ | 1分32秒37 | 168.6km/h |
| 2026/10/10 | 22℃ | 1.178kg/m³ | 1分34秒156 | 164.5km/h |
気温はすべて気象庁の西脇アメダスの観測値です。空気密度は湿度と気圧を入れて計算しました。
では164.5km/h時点の力の釣り合いを、両日で比べます。
- 駆動力 1,851N → 1,986N(+135N)
- 空気抵抗 −776N → −833N(−57N)
- 転がり抵抗 −118N → −118N(変わらず)
- 正味の加速力 957N → 1,035N(+8.2%)
NAエンジンの出力は、吸い込む空気の量でほぼ決まります。だから空気が7.3%薄ければ、出力も7.3%落ちます。
もちろん空気抵抗も同じだけ減ります。ところがストレートエンドでは、駆動力のほうが空気抵抗より2倍以上大きい。だから差し引きで加速力が8.2%も落ちます。
これが164.5km/hの正体です。真冬なら170km/hまで伸びるという体感は、計算とも一致します。
そして路面温度が、タイヤを溶かした
もう1つが路面温度です。こちらは走行後のタイヤが証拠を残していました。
気温22℃・快晴・無風という条件では、アスファルトの表面温度は35℃を超えます。路面は気温より10℃以上高くなるからです。
シバタイヤの200Rは、その領域だと適正温度を超えます。すると表面が溶けて、トレッドにカスが溶着します。
溶けたタイヤは2つの意味で遅くなります。グリップのピークを過ぎることと、転がり抵抗が増えることです。
つまりコーナーだけでなく、ストレートの伸びまで食われます。実際のタイヤの状態は、後半の章で写真を載せました。
2.155秒の内訳
3つ目の要因が、前後異形のタイヤ構成です。ここまでを足し合わせます。
| 要因 | 推定タイム差 |
| 気温22℃(空気密度 −7.3%・加速力 −8.2%) | +0.5〜1.2秒 |
| 路面温度によるタイヤのタレ | +0.3〜0.8秒 |
| 前後異形タイヤ | +0.84〜1.51秒 |
| 合計 | +1.64〜3.51秒 |
| 実際の差 | +2.155秒 |
2.155秒は、このレンジのちょうど真ん中に収まります。したがって2号機の車体そのものは1号機に劣っていないという結論になります。
修復歴による歪みも、キャンバーの深さも、持ち出す必要がありませんでした。
なお1号機は第1触媒と第2触媒を撤去していました。その差も混ざっている可能性はあります。ただし今回のデータでは、気温と路面温度だけで説明がつきます。
参考までに、1号機の最速ラップはこちらです。
動画を見ていただければわかりますが、2号機のほうも大きなミスはしていません。だから残りは機械ではなく、環境の差です。
今回の走行記録は、みんカラのブログでも公開しています。
帰宅後、フロントのタイヤカスが異常だった
セントラルサーキットから自宅に戻り、タイヤを外しました。そこで想定外のものを見ます。

フロントに履いていたR31 200Rに、タイヤカスが大量に付いていました。

一方、リアのR23 200Rは付着が明らかに少ないです。つまり路面温度が、フロントの適正域を超えていたことになります。
キャンバーが−4.11°も付いていることも効いています。接地が内側に寄れば、その部分だけ面圧と発熱が上がるからです。
これが最高速164.5km/hの、もう1つの答えです。溶けたタイヤは転がり抵抗が増えます。
シバタイヤのコンパウンド選びは、こちらにまとめています。
ちなみにグリップ重視なら、A052という選択肢もあります。価格は倍近くしますが。
ブリヂストンのRE-71RZも、ND5では定番です。1号機はRE-71RSで1分32秒001を出しています。
街乗りと両立させるなら、ディレッツァZ3が無難です。寿命は実測10,000kmでした。
コストを抑えるならナンカンCR-Sです。ZⅢより1.1秒速いという実測が出ています。
マキタのマルチツールでタイヤカスを削ぎ落とす
タイヤカスは放置できません。次の走行でバランスが狂いますし、トレッドを引きちぎる原因にもなります。
そこでマキタのマルチツールにスクレーパー刃を付けて削ぎました。

フロント2本からこれだけ取れています。手作業でやると1本1時間はかかる量です。
タイヤの脱着にはインパクトレンチが必須になります。18Vクラスなら108N・mも一瞬です。
そして車を上げるジャッキです。ローダウン車なので低床タイプしか入りません。
上げたら必ずリジッドラックで支えます。ジャッキだけで下に入るのは厳禁です。
外した4本は屋外保管です。タイヤラックに縦置きして、カバーで紫外線を遮ります。
カバーは必須です。ゴムの最大の敵は紫外線になります。
手組みと保管の手順は、別記事に詳しく書いています。
来週の舞ジム82に向けてパッドを戻した

10月17日に舞洲ジムカーナ82があります。ジムカーナは1本1分弱の勝負です。だから初期制動が立ち上がるパッドのほうが合います。
そこでRACING-N+からディクセルESへ戻しました。
パッド交換のときは、キャリパー内を必ず脱脂します。鉄粉と古い油分が残っていると鳴きの原因になります。
ピストンを戻すには専用ツールが要ります。素手では入りません。
前回の舞洲ジムカーナ81では、前後異形で48秒882を出しました。
セントラルサーキットのまとめ|真冬なら31秒台が見える
今回のセントラルサーキットでわかったことを整理します。
- 2号機のセントラルサーキット自己ベストを1.11秒更新した
- クリアラップ7本のばらつきは0.92秒で、1号機より安定している
- 1号機との2.155秒差は、気温・路面温度・タイヤ構成で説明できる
- 車高を上げてもフロントのキャンバーは−4.11°だった
- フロントのR31だけタイヤカスが異常に付いた(路面温度オーバー)
そして最大の収穫は、MAQsのバネでロールが抑えられたことです。山区間でのアクセル全開時間が、明確に増えました。
真冬のセントラルサーキットなら、空気密度は7%以上濃くなります。加速力にして8%です。そこに前後通しのタイヤを合わせれば、1分31秒台が射程に入ります。
次回は真冬に、前後通しで走ります。それで今回の計算が正しかったかが確定します。
なおエンジンマウントには実績があります。セントラルサーキットで0.198秒の短縮です。振動との引き換えになりますが、効果は確実です。
リアスタビも、ジムカーナとサーキットで評価が分かれる部品です。2号機では自作の純正流用で対応しています。
タイヤをまとめ買いするなら、フジ・コーポレーションが安いです。持ち込み交換も受けてくれます。
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そして1号機のように全損しても、買取に出す道は残ります。数十万円が戻ることもあります。
次に読んでほしい記事
- セントラルサーキット2年間の全チューニング記録|1分32秒001までの全工程
- TSタカタで1分0秒615|F12kg/R8kgの実測|前後異形と通しの同日比較
- バネレートを12kgへ|レバー比で実効8.2kgの根拠|数字の出し方
- 自宅4輪アライメント|ブロック塀とベニヤ板で水平を出す|測定環境の作り方
- シバタイヤの選び方|R23とR31の違い|3コースでの実測比較
- 前後異形タイヤは外径差2mmで選ぶ|サイズの決め方


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